さて、我が家の赤子も汗をかきます。頭からとにかく山ほどかきます。手足はひんやりしてるのに、なぜか頭はぐっしょり。まるでシャワーでも浴びたんじゃないかというような有様。夜なんてタオルを頭の下にしいておくと、朝にはしっとり濡れているし、添い乳しているととんでもない湿度に感じたりします。
この赤ちゃんの頭の汗っかき。なんでだろうと思ってちょっと調べてみました。
赤ちゃんは汗っかきとお思いかもしれませんが、実は汗をかく能力は決して高くありません。汗をかく汗腺というものが皮膚に存在していますが、その密度は大人より高いですが、汗腺の大きさも機能も未熟なので、実際には発汗量は少ないのです。
汗をかけない分をどうやって補っているかというと、皮膚の血流を増やすことによって代償しています。体温よりも周囲の温度がひくければ、皮膚の血流を増やせば、周囲と温度のやりとりができるので、結果として体温が下がる、という仕組みです。
この皮膚血流量は、乳幼児を含む小児では頭部、体幹部が特に増大します。ですので、暑くなると、手足はあまり熱くないのに、身体や頭がえらく火照っているように感じる(はず)のです。
さて、汗をかく能力が低いとかきましたが、それでももちろん暑くなれば汗をかきます。この際、深部体温や皮膚温で発汗量は調節されるので、皮膚の血流が増えていて皮膚温が高い頭部、体幹部で汗が多くなる、ということになります。
頭ばかり汗をかくように思うのは、そんな小児の体温調節能力の未熟性によるものだったのですね。
さて、暑い季節です。
熱中症の記事は後日書こうと思っていますが、汗をかく能力の低いはずの赤ちゃんが汗だく、頭がぐっしょり……こんな場合、実際にはかなり深部体温が上がっていることが考えられます。
つまり、その状況は熱中症を起こしやすい状態なのですよ、ということを頭のすみにでも覚えておいてください。
エアコンを使うことを躊躇する人もいるかもしれませんが、いくら暑さになれさせるためとは言っても、熱中症を起こしては元も子もありません。室温28℃を一つの基準に、うまく温度を調節して、夏を乗り切りましょう。
参考論文など(正式な引用形式ではなくて申し訳ありません)
老若男女の発汗機能
http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/kiyo/DBl0090001.pdf
日常生活における熱中症 子どもと高齢者の熱中症予防策
http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/kogi02.pdf
人の体温調節反応
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81000286.pdf
(記事は下に続きます)
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