赤ちゃん・子供の紫外線対策とビタミンD・日焼け止めの話

暑くなってきました。
さて、こう暑くなってくると、お子さんとのお出かけで気になるのが日差し……「紫外線」ではないかと思います。

「あまり紫外線に晒したら皮膚によくないって聞くなあ」
「でも、お日様にあたらないとビタミンができなくて骨が弱くなるって聞いたことがあるし……」
「そもそも、自分が子供の時は日焼け止めなんて軟弱なって言われてたよ、必要あるの?」
「赤ちゃんに日焼け止めを塗っても大丈夫?」

などなど、疑問も多いのではないでしょうか。




赤ちゃんでも紫外線対策はした方がいい?


した方がよいと思います。
私が小さい時、私の幼稚園では一番日焼けした子に「くろんぼ大賞」なる賞が送られていました。当時は「よく焼けた肌は健康的」というように考えらていました。日焼け止めなんて肌が弱くなるから使うな、日に焼けて肌を鍛えろ、というような事も言われていたように記憶しています。

しかし、現在は、紫外線は皮膚にダメージを与えることがわかってきました。紫外線がしみやしわを増やしたり、将来皮膚癌を起こしやすくなったりすることがわかっています。
ですので、赤ちゃんや子供であっても紫外線対策はした方がよいと考えます。

もちろん全ての紫外線をシャットアウトしろという意味ではありません。全身分厚い長袖長ズボンで、家は遮光カーテンをして、日中は家から出ず、夜中にだけ外出をする……なんていう生活は現実的ではありませんし、後述するビタミンDの事を考えても健康的ではありません。
「日焼けしすぎないようにしましょう」
くらいのニュアンスで受け取ってもらえたらと思います。


お日様にあたらないとビタミンができなくて骨が弱くなるのでは?


「お日様にあたらないと骨が丈夫にならない」というのは本当の話です。日光にあたると、皮膚の下でビタミンDが作られます。このビタミンDはカルシウムが腸から吸収しやすくします。ビタミンDが足りないと、どんなにカルシウムを摂っても腸からの吸収が悪くなるので、カルシウム不足になってしまうんですね。

ですので、適度に日に当たる必要はあります。



(ビタミンDと赤ちゃんのくる病などについては、話が長くなるので今回は割愛します)

具体的にどのくらい日光浴すれば、十分なビタミンDが作られるの?


大まかには、両手の甲くらいの範囲に15分程度の日光をあてれば、食事の量と合わせて必要なビタミンDが作られると言われています。
が、季節や地域、天気、時間、服装、皮膚のタイプ(日焼けのしやすさなどでいくつかのスキンタイプにわけられる)によって差が出ます。日本でも国立環境研究所などが調査をしています。
日本人の一般的な肌(スキンタイプ SPT: III)の人が、両手の甲と顔を日焼け止めを塗らない状態で日光にあてると、

7月 12時(晴れ)
 札幌 4.6分
 つくば 3.5分
 那覇 2.9分

12月 12時(晴れ)
 札幌 76.4分
 つくば 22.4分
 那覇 4.6分

夏場では、晴れの日であれば5分以内で十分なのですが、冬になると地域によってかなりの差が出ます。雨の日や曇りの日はもっと長くならないといけないので、北の方に住んでいる方は、冬季は注意が必要ですね。

じゃあ、赤ちゃんや子供の紫外線対策はどうしたらいい?

お示しした通り、日光には当たった方がいいけれども、やりすぎると肌を傷めます。
特に赤ちゃんをはじめ子供はやっぱり皮膚が薄くて弱いので、強い日差しは避けた方が無難です。


  • お散歩の時には、日傘やベビーカーの日よけを使って直射日光が当たらないようにする
  • 一番日差しの強い時間帯(9時〜15時)はできればお出かけを避ける
  • 帽子や薄い長袖の服を着せる(熱中症には気をつけて!)
  • 日焼け止めも上手に使う

といった工夫をしてあげてください。暑い季節です。くれぐれも、熱中症にも同時に気をつけてあげてくださいね(子供の背の高さやベビーカーは地面に近いので、大人以上に暑い環境になります)。

赤ちゃんや子供の日焼け止めはなにを使えばいい?


赤ちゃんがまだ自分で動き回らず、親が直射日光にあてないように気をつけることができる月齢であれば、日焼け止めは無理に使わなくてもいいのかなと思います。私もその頃は日焼け止めは使わず、日差しの強くない時間を選んだり、直射日光にあてないよう気をつけて出かけていました。

しかしある程度動き回るようになると、どうしても直射日光の中出歩くことも出てきますので、うまく日焼け止めも活用してもらいたいところ。

選び方は「ベビー用」「赤ちゃん用」「子供用」「低刺激」「親子で使える」といった表示を目安にしてみてください。(添加物の種類や、中に含まれている紫外線防止剤の種類が違います。紫外線吸収剤は白っぽくならないので便利なのですが、まれにかぶれる人もいます。そのため、紫外線散乱剤のみのものもありますが、ベビー用イコール紫外線吸収剤不使用、というわけではありません)
ちなみに、私の使っている日焼け止めを娘に塗った時期があったんですが、見事に肌が荒れました……とほほ。日焼け止めに関しては、上記の「ベビー用」などの記載があるものから試す方が無難と思います。

そして、美白にするのが目的ではありませんから、SPFとPAの数値は最低限度のものを選ぶのがおすすめです。日本小児皮膚科学会によると、
  • 普段のおでかけ SPF15〜20 PA++
  • 海や山などへおでかけ SPF20~40、PA++~+++
くらいの2種類を準備しておくと、使い分けができて便利。

ベビー用であれば、「石鹸で落とせる」と書かれていると思います(書かれているものを選びましょう)。普通に洗えば落とせます。
そしてなにもしなくても徐々に日焼け止めは落ちてしまい、効果が減弱します。大体2〜3時間おきに塗り直すと効果的です。

我が家で使ってる日焼け止め

私の住んでいる地域は比較的日差しが強いので、上より若干強いのを選んでます。

普段のおでかけ

by カエレバ

海や山、アウトドア用

by カエレバ
こちらはウォータープルーフ。

ちなみに、どちらも紫外線吸収剤が使用されています。うちは特にかぶれたりはしていません。もし気になるようであれば、同じ花王の製品であれば、

by カエレバ
このキュレルは紫外線吸収剤不使用で紫外線散乱剤のみなので、赤ちゃんでも使いやすいかもしれません。


今は娘は幼稚園に行っているので、毎日塗って通園させています。が、幼稚園では塗りなおせないんですよね。無事にこんがり焼けています。まあ、赤く痛くならずに、ある程度紫外線が防げればいいや、くらいの感覚で塗っています。


紫外線対策を上手にやりながら、赤ちゃんやお子さんとのお出かけを楽しみましょう。暑い夏、頑張って乗り切ってくださいね。

参考サイトなど

日本小児皮膚科学会
http://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html

紫外線環境保健マニュアル2015 環境省
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf

体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-|2013年度|国立環境研究所
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html

花王株式会社 製品Q&A 顔・からだに使う日やけ止めの種類と選び方
https://www.kao.com/jp/qa_cate/facebodysunscreen_02_01.html



(記事は下に続きます)
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