ビーズでできた歯固めジュエリーにご注意を〜FDAによる窒息や首がしまる危険性と注意事項〜

かわいい歯固めジュエリーは本当に安全ですか?

絶賛次女4ヵ月があれこれ噛みまくり期でして、長女が使っていたおもちゃ兼歯固めをがじがじ噛みまくってます。まだしばらく噛みそうだし、長女のお下がりばかりもあれなので、なんか新しいのないかなと検索してみると……カラフルなビーズをつなげてできた、かわいらしい歯固めがずらりと出てきました。
ハンドメイドの歯固めとしてハンドメイドサイトで売られていたり、歯固めジュエリー作りのワークショップが開催されていたり……
ビーズはシリコン製で赤ちゃんが口にしても大丈夫、というような事が繰り返し書かれていますが……

でもちょっと待ってください。その歯固めジュエリー、安全ですか?

というのが今回の話です。


注:FDAやAAPのサイトでは"Teething jewelry includes necklaces, bracelets, and other jewelry"として、teething necklaces(歯固めネックレス)、bracelets(ブレスレット)、beads(ビーズ)など複数の表現がされていますが、今回はわかりやすく全部をまとめて"Teething jewelry"=「歯固めジュエリー」と翻訳しています。ご了承ください。
また、あくまでも"Teething jewelry"=「歯固めジュエリー」という翻訳であり、特定の商品を指しているものではありません
また、自閉症やADHDの子の感覚刺激にも使われている事を懸念して注意喚起されていますが、おそらく日本ではまだ使われていないようなので、今回は割愛しています。
琥珀製のネックレスが歯の生える時の痛みに効く、という俗説については、科学的根拠がない旨も書かれていますが、こちらについても日本ではほとんど言われていない迷信になりますので、こちらも割愛しています。

歯固めジュエリーについてFDAが窒息や首がしまる危険性があると注意喚起しています


先日「歯が生える痛み」の記事を書いたのですが、その中でも注意喚起されていました。(原文はBaby Teething Pain - HealthyChildren.org、アメリカ小児科学会(AAP)が作っているページです)
引用すると、
琥珀や木材、大理石、シリコンでできたTeething necklaces(ネックレス)やbracelets(ブレスレット)は窒息や 首が絞まってしまう恐れがあるとFDAは警告しています。

このFDAが警告している部分をもう少し詳しくみていきましょう。

FDA Warns Against Use of Teething Necklaces, Bracelets, and Other Jewelry Marketed for Relieving Teething Pain or Providing Sensory Stimulation: FDA Safety Communication | FDA

FDAが注意喚起している歯固めジュエリーについての内容


FDAが書いてある内容をざっくりと解説すると、


  • ネックレスやブレスレット、アンクレット等の歯固めジュエリー(琥珀や木、大理石、シリコンが素材として使われている)は、赤ちゃんが歯が生える時の不快感を和らげるために販売されています。
  • 歯固めジュエリーは、ジュエリーが破損した時に、小さなビーズもしくは全体が口の中に入り窒息したり、首がしまったり、口の中を怪我したり感染を引き起こす危険性があります。
  • 保護者の監督下であったにも関わらず、7ヵ月の赤ちゃんが木製の歯固めブレスレットのビーズで窒息して病院に運ばれた報告や、昼寝中に18ヵ月(1歳半)の子が赤ちゃん用の琥珀のネックレスで首がしまって死亡したという報告があります。
(琥珀製のネックレスについては、迷信や俗説もあり、保護者もしくは赤ちゃん自身が身につけるものとして販売されているものがあります。下のリンクはアメリカ小児科学会のニュースおよびHuffpostのサイトになりますが、表示されているような画像のようなものになります)
FDA: Teething necklaces can lead to choking, strangulation

These Teething Necklaces Are A Severe Hazard, Says FDA

The jewelry - including necklaces and bracelets worn by babies who are teething, or used as sensory stimulation for children with autism or attention-deficit/hyperactivity disorder - has been known to seriously injure or kill children, the FDA said in a statement directed at parents, caregivers and health care providers.

FDAの推奨事項


  • 歯固めジュエリーは窒息(破損してビーズを飲み込んだ場合、気道を塞いでしまう)や首がしまる(紐状のものが首に絡む)という重大な事故を引き起こす可能性があるから使わないこと
  • 歯が生える痛みを軽減する方法については、AAPが推奨するやり方をしましょう(この解説は下記の記事で書いていますので参考に)

赤ちゃんの睡眠と寝かしつけのヒント⑦赤ちゃんが歯が生える時の痛みの対処法

歯固めジュエリーをもう使っているよ、という方へ

しかし、すでに購入して愛用しているという方もいるでしょう。アメリカ小児科学会が、使う場合の注意点をまとめてくれていますので紹介します。(ただし、アメリカ小児科学会は「ネックレスは首がしまるし、ビーズが外れた場合は窒息を起こす。どんなジュエリーであっても、赤ちゃんがつけることを推奨しない」という旨を強調しています。)
Teething Necklaces and Beads: A Caution for Parents - HealthyChildren.org

歯固めジュエリーを使う場合の注意点

歯固めジュエリーを使うことを選んだご両親へのアドバイス


  • 子供がネックレスやブレスレットを着けているときは、常に子供を監督してください。
  • 首の周りではなく、子供の手首または足首にネックレスを着けましょう。
  • 子供を一人にする場合は歯固めジュエリーを忘れずに外してください。(たとえそれが短期間であっても!)
  • 子供が寝ている間は、昼夜を問わず、歯固めジュエリーを外してください。
  • 歯が生える痛みを緩和する、別の方法を使うことを検討してください。
  • 子どもの健康に関して懸念や質問がある場合は、小児科医にご相談ください。

日本製の歯固めジュエリーは安全なのか?

日本語のサイトで見つかる歯固めジュエリーは、ネックレス形式のものは少ないようです。
しかし、ここからは一般論なんですが、紐は長ければ首に巻き付きます
また、いくら丈夫にできていたとしても、切れない糸はありません。(逆に、切れないレベルの紐状のものは、なにかに引っかかった時に大変危険と思います)
そして、ビーズは外れます転がります。一定の条件がそろえば、喉に詰まって窒息します。

一般論ですが、以上の前提でいることが大事だと思います。

一方で、とてもかわいい商品を見かけます。お友達に出産祝いなどでもらったりすることもあるかもしれません。
使いたいなと思う場合には、「壊れたら窒息の危険がある、紐は首がしまる危険がある」ということを頭の隅において、上の注意点を参考にされてみてください。

最低限、使っている時は必ず大人がみはること、寝床には持ち込まないこと、首にはつけないこと、これは必ず守ってもらえたらなと思います。(万が一壊れた時にはすぐにビーズを拾い集め、必ず全てのビーズやパーツがあるか確認してください。)


私個人としては、歯固めジュエリーはおすすめしません

乳幼児はなんでも口の中に入れます。舐めたり噛んだりすることで、いろんなことを学習しているのでしょう。
しかし、なんでも口の中にいれてしまうため、間違えて飲み込んでしまうことが多々あります。そのため、口の中にすっぽり丸ごと入るようなものは遊ばせないのが鉄則です。
わかりやすい説明として、トイレットペーパーの芯を通り抜ける部品でできたものは、子供の誤飲誤嚥の可能性があることを知っていてください。

そもそも歯固めは赤ちゃんが口に入れ、舐めたり噛んだりすることが前提の商品です。
ビーズなどのすっぽりと口に入るもので作られたおもちゃは、赤ちゃんにとって安全とは言えません。

その商品、本当に糸は切れませんか? ビーズは外れませんか?
あなたが実際に手にとって、もしかして糸が切れるかも、ビーズが外れるかもとあなた自身が感じるものであれば、やめておいた方がよいのではないでしょうか。

そして、もしこれから歯固めのおもちゃを選ぶのであれば、万が一壊れた時のことを考え、小さい部品ができるだけないものを選ぶことをおすすめします。

今、なんらかの歯固めジュエリーを使っている方を責めるための記事ではありません。
注意することで、一つでも防げる事故が防げたらなと私は考えています。
あなたとあなたの赤ちゃんが、健やかに元気に成長することをお祈りしています。

参考サイトなど

Baby Teething Pain - HealthyChildren.org
https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/teething-tooth-care/Pages/Teething-Pain.aspx

FDA Warns Against Use of Teething Necklaces, Bracelets, and Other Jewelry Marketed for Relieving Teething Pain or Providing Sensory Stimulation: FDA Safety Communication | FDA
https://www.fda.gov/medical-devices/safety-communications/fda-warns-against-use-teething-necklaces-bracelets-and-other-jewelry-marketed-relieving-teething

Teething Necklaces and Beads: A Caution for Parents - HealthyChildren.org
https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/teething-tooth-care/Pages/Amber-Teething-Necklaces.aspx

子どもの事故防止教材 「誤飲チェッカー」「誤飲防止ルーラー」 | 一般社団法人 日本家族計画協会
https://www.jfpa.or.jp/mother_child/prevent/002.html

(記事は下に続きます)
スポンサードリンク

(もし記事を読んで、「役に立った。よし、これ書いたやつにコーヒー1杯くらいおごってやろうか」などと思ってくださった方や、金はかけたくないけど支援する方法があるなら……と思った方は、noteからサポートなどしていただけたら幸いです。シェアも大歓迎です)

スポンサードリンク