大人のMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)接種前に抗体検査は必須か?

麻疹にかかったかわからない、ワクチン接種歴がわからない、1回は多分うっているけどもう一回はわからない……MRワクチンを受けに行こうかどうしようか、悩んでいる方もいらっしゃると思います。
MRワクチンの予約をしようとすると「麻疹と風疹の抗体価の検査はしていますか?」と質問された方も多いかもしれません。
「検査をするのは時間もお金もかかるし、行きたくない……そのくらいならワクチンうけたくない! めんどくさいのはいや!」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

というわけで、今回は「MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)接種前に抗体検査は必須か?」というお話です。


まず、麻疹・風疹にかつてかかっていて抗体が十分にある状態でワクチンを受けても、そのせいで特別な副反応(副作用)が起こることはありません。



ただ、抗体が十分にあるのにワクチンをうつのは、費用が無駄にかかる、不必要なものを身体にいれることになる(免疫があろうとなかろうと、副反応の可能性はあります)という観点から、できれば抗体検査をしてから接種することがすすめられます。

しかし、もし抗体があった場合でも、ブースト効果といってワクチンをうつことで抗体を増やす効果が得られます。その点においてはメリットではあります。
私自身は、このブースト効果は非常に重要と考えており、微妙なラインの抗体価しかないのであれば、もう一度接種を行う価値はあると考えています。


従って「出来る限り抗体価の検査は必要であるが、時間がない場合や、デメリットを含めて納得がいっている場合は、抗体価の検査なしにワクチンをうつことは可能である」という結論でいいかと思います。
国立感染症研究所の「臨床医からみた麻疹の問題点」では、「成人に麻疹ワクチンを接種する前に,麻疹の既往歴 を確認する目的で抗体検査をする必要はない」とまで断言されています。
ただ、医療機関によっては「抗体価検査なしではワクチンはうちません」という主義の先生もいらっしゃると思います。
まずは一度お電話でMRワクチンの予約をとりがてら、相談されてみてください。


ちなみに「医療関係者へのワクチン接種の考え方」によると、
 麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘についての明らかな罹患歴がある場合は免疫ありと判断して差し支えないが、医師により確定診断された例以外では確実とは言えない。
 ワクチン接種歴、既往歴が不明の場合は、血清抗体価の検査を行い、その値によってワクチン接種の要否を決定するようにするか、抗体価を測定せずにワクチンを2回接種して記録を保管する。
とあります。身内(医療関係者)への対応も同じようなもんと思ってもらえたら、少しは安心される方もいらっしゃる? かもしれませんので、参考に。

その他麻疹の記事については、「麻疹情報まとめ(当ブログ内)」をご覧ください。

参考サイト
http://www.bdj.co.jp/safety/articles/ignazzo/hkdqj200000u19vp.html
http://idsc.nih.go.jp/training/13kanri/takayama.htm
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html


(記事は下に続きます)
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