大人のMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)体験談〜抗体検査と費用と〜

私の体験談です。2016年の9月、麻疹流行時に接種した時のお話をいたしましょう。

「自分の予防接種歴がわからない……」
「1回しかどうもうってないみたい……」
「でも、お金かかるっていうし、痛いのやだし、面倒くさいし……」

とMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)接種するかどうするか悩んでいる方、よかったら参考にしてみてください。
端的に言うと、「お金はかかるし、2回受診するはめになったし、面倒だった。でもMRワクチンうててよかったよ!」です。

それでは、どうぞ。

私のMRワクチン接種歴〜え! 勘違い!〜

さて、私、ずっとこう思って生きてきました。


2歳頃に麻疹ワクチン(MRか麻疹単体かは不明)

22歳頃 風疹ワクチン(MRか風疹単体か不明)
22歳頃 医学部の研修前に麻疹他の抗体検査で陽性

32歳  風疹の抗体価足りず、MRワクチン接種


「2歳くらいの時に麻疹だけは絶対やってる」
という母親の言葉で、ワクチン関係は
「他はともかく麻疹だけはやってる」
と思ってきた私。
ところが、この前麻疹の流行について親とよくよく話をしてみてわかったこと。

「2歳頃に、兄か誰かが麻疹に感染したので小児科に連れていったら、『ワクチンと同じだから』とガンマグロブリンをうたれた」
「ワクチンはうっていない」

という衝撃の事実。ちなみに母は元看護師で保健師。おーい。

ガンマグロブリンとワクチンは別物です。一時的に麻疹を防ぐ効果はありますが、ワクチンは接種せねばなりません。
というわけで、本当の私の麻疹のワクチン歴は

22歳頃 風疹ワクチン(MRか風疹単体か不明)
22歳頃 医学部の研修前に麻疹他の抗体検査で陽性

32歳  風疹の抗体価足りず、MRワクチン接種

これ。
22歳頃に検査で陽性だったのは、その前にうったワクチンがMRワクチンだったか、もしくはガンマグロブリン→麻疹ウイルスに暴露された時に微妙に抗体ができたか、どちらか。
はっきりしませんが、私は「MRワクチンは1回もしくは2回接種」という微妙なラインである事が判明しました。
えー、これ、どうすればいいのよ。

追記:後日母子手帳を確認したところ、小さい時に1回接種してました! なんだお母さん、接種してるじゃん。疑ってごめん。なので、MRワクチンは2回もしくは3回接種していました。

自費で麻疹の抗体価を検査しよう! 費用は?


ではどうするか。MRワクチンが潤沢にあるのであれば、抗体検査なしに追加で接種しようと思ったのですが、当時(2016年9月)、すでにMRワクチンが不足しはじめていたので、無駄なワクチン消費をするわけにはいかない……

(接種前の検査の必要性に関してはこちらの記事も参考に) 
大人のMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)接種前に抗体検査は必須か?

よし、麻疹の抗体検査をしよう。

まずは病院へ予約です。
「麻疹のワクチン接種歴がほにゃららで、麻疹の抗体価の検査をして欲しいのですが、そちらの病院で検査できますでしょうか」
というような内容で電話で問い合わせておくとスムーズです。検査自体は外注検査といって、外部の検査機関に出す事が多い検査になりますので(多分)、どこでも検査できます。
(が、対応してくれるかどうかはマチマチかもしれませんので、かかりつけでもどこでも構いませんので、まずは聞いてみてください。MRワクチンを接種している医療機関で検査をすれば、ワクチンの予約もできて便利です。MRワクチンの予防接種実施機関は、自治体のHPに一覧があるかと思います。「自治体名 予防接種 医療機関」などで検索すると見つかるかと)

というわけで、自費で抗体検査をしました。
私の受けた麻疹抗体検査は麻疹(IgG)EIA法。(よくある16倍、32倍……というのはPA法と呼ばれるもので、別にどちらでも構いません。NT法というのもあります)

さて、気になる麻疹抗体価検査の料金は5000円ちょっと(領収書をなくしました、すいませぬ)。自費なので高い……!
自費なのは、病気じゃないからですね。うん、知ってる。でもね、高いよね。

そして結果が、4以上8未満でした(こちらも記録をなくしたorz。細かい数値は覚えていませんが、確か4ちょっとだったはずです)。
うん、足りない
一応判定としては陽性になるんですが、医療職としては足りません(22歳の時には陽性で実習受けれたので、そこから徐々に下がったのだと思います……あれ? でも32歳の時に受けたときのブーストはどうなった……? うーむ、やはり抗体のつき方には個人差があるんだなあ)。
当時半年以内の復職も考慮していたので、他の方(特に定期接種の子)に接種する予定のない余りが出たら接種したい旨伝え、予約を入れました。

すると、私の住んでいる地域では麻疹が発生していなかった事もあり、特に接種予定のない在庫がありますよ、と卸の業者さんから連絡があったとのこと。
(ちなみに、まだ流行の走りだった事もあり、住んでいたのがすごい田舎だったからかもしれませんが、私の住んでいた地域では大規模なMRワクチン不足にはならなかったようです)

よし、MRワクチンうつぞ!

MRワクチンを接種しよう!〜気になる費用は〜

ちなみになぜ麻疹単体ではなくMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)になったかといいますと、麻疹単体のワクチンが手に入らなかったからですね。
風疹は妊娠前に抗体価が足りず、MRワクチン接種→風疹抗体価はしっかり陽性になっていたので、MRワクチンじゃなくてもよかったんですが、まあいいか。風疹の抗体もブーストされれば安心ですし。

予診表に記載。MRワクチンなので、避妊期間が書かれています。女性の方はチェック。きちんと避妊しましょう。

そして、ぷちゅっとな。あんまり痛くなかった。

さて。
気になるMRワクチン接種費用は、10120円

高い

高い高い言うてますが、別にこれ、医療機関が暴利をむさぼってるわけじゃないです。
そもそもMRワクチン、原価が高いんです。
調べた範囲、卸から買うだけで6000円ちょい、それに、保険診療の診療報酬から初診料2820円、皮下注射・筋肉注射の処置に2000円がプラスされれば、大体10000円前後になります。後は医療機関での裁量次第で値段が前後するので、あまり驚く値段ではありません。

しかし高い

でもMRワクチンは高いだけの価値があります

と、私は思います。

MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)は高いだけの価値があります


お金では代えられないものが、世の中にはあります。
私が麻疹にかからなければ、幼い娘を守れる可能性があがります。
もし万が一感染したとしても、軽く済めば、私の命も守れます。
家族に迷惑をかけずにすみます。
なにより、私が感染源となり、流行を助長する存在にならずに済みます。
流行に怯えずに済みます。

もし私が感染して、幼い娘や旦那にうつしてしまうような事になれば、私は一生後悔するでしょう。
そうならないために、私は私のできる限りの努力をしました。


大人がワクチンをうつというと驚かれるかもしれませんが……

流行していない自治体だと、大人がワクチンをうちたいとか、抗体の検査をしたいと言うと、「え? 大人の方がですか?」と驚かれる事があります。
驚かれても気にしないでください。
これまでが、「予防接種は子供(と一部は老人)のもの」という認識だっただけであって、私は、これからは大人も必要に応じて予防接種をする時代になったのだ、と思っています。

ちなみに、私、大人になってからおたふく風邪のワクチンもうけてるんですよー(余裕があれば今度書きます)。
あと、もう少ししたら水疱瘡のワクチンも受けたいと思ってます。帯状疱疹対策のためにですね。
私は大人ですが、自分と家族を守るために、必要であればこれからもワクチンをうっていきますよ。


長くなりました。
あなたがMRワクチンをうとうかどうするか迷っていたら、その参考にしていただけたらなによりです。




参考サイト
http://www.meitetsu-hospital.jp/kakuka/yobou/2013/07/01/pdf/yobou_93.pdf


「大人になると重症化するから、子供のうちに軽くかかっておいた方がいいっていうじゃない?」

という方は、ぜひこちらの記事をどうぞ。
大人が麻疹(はしか・麻しん)にかかると重症化するのか〜「子どものうちにかかった方がいい」?〜
-----------------------------
2016年流行時の麻疹の記事の一覧をおいておきます。
妊婦さんや1歳未満のお子さんのワクチンの話、麻疹についての基礎知識、ワクチンの話など、テーマ毎に書いています。
http://halproject01.blogspot.jp/2016/09/blog-post_11.html

------------------------------





(記事は下に続きます)
スポンサードリンク

(もし記事を読んで、「役に立った。よし、これ書いたやつにコーヒー1杯くらいおごってやろうか」などと思ってくださった方や、金はかけたくないけど支援する方法があるなら……と思った方は、noteからサポートなどしていただけたら幸いです。シェアも大歓迎です)

スポンサードリンク