麻疹速報グラフ(国立感染研究所)38週(10/3更新分)を読む

国立感染研究所の麻疹速報グラフが更新されました。
38週とそれまでの集計で、2016年10月3日までの分です。
詳しいグラフはこちら。
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/diseases/measles/measles2016/meas16-38.pdf

1週間で9例増加しています。
これまでの増加数から考えると、少ない。もっと劇的に増えるかと危惧していましたが、真面目にみなさんがワクチンを接種した成果、とも言えると思っています。
ただ、麻疹は潜伏期間も長いため、また翌週にはどっと数が増える可能性がまだありますので、どうかまだ動向には注意していただきたいと思います。

内訳は、大阪3例、神奈川3例、東京1例、千葉1例、奈良1例。
神奈川3例というのが少し不気味です。神奈川県内で感染したと考えられるのが1例。ここから広がらないといいですが。
詳細は神奈川県の感染症情報センターに書いていますので参考に。
http://www.eiken.pref.kanagawa.jp/003_center/03_center_main.htm






予防接種歴も出ています。
今年に入ってからの集計になりますが、接種なし37人、不明47人、接種1回35人、接種2回19人。(予防接種をしているのに感染している人がいる理由はこちらをどうぞ。「麻疹のワクチン(予防接種)を受けていても感染・発症するのはなぜか」)。
接種無し、不明がやはり多いですね(当然ですが)。医学的事情がある場合以外の接種率をなんとかあげないと……。

年齢内訳は、20〜29歳が36%、続いて30〜39歳が23%と、20代後半〜30代の感染者が半数以上を占めています。これは報道などでも何度もとりあえげられた通り、予防接種制度の問題で、1回接種が多い世代です。ここの世代のMRワクチン接種を増やさないと、流行を防ぜひご家族含め、予防接種歴を確認し、特に予防接種歴がない方、不明の方は積極的に医療機関にお問い合わせください。今回だけではなく、今後、麻疹・風疹が流行した場合にも役立ちます。

早く患者数が限りなくゼロに近付いて欲しいですが、まだすぐにとはいきません。
マスコミは飽きてしまったようで、報道は激減です。すごいなあ。
こうなると、受動的に感染を知る事はできないので、自衛のためにある程度自分から能動的に情報を集める必要があります。
もっとも、家族みんな予防接種2回接種してますよ、特別かかったら危険な人(妊婦さんや免疫不全の患者さん、小さいお子さん)もいませんよ、というご家庭は、そこまでぴりぴりする必要はない、とも思います。
麻疹情報まとめのページに、各自治体の麻疹情報を発信しているサイトをまとめています。自分の住む都道府県の情報がわからない方は参考にされてください。


その他麻疹の記事については、「麻疹情報まとめ(当ブログ内)」をご覧ください。

(記事は下に続きます)
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