麻疹は接触感染・飛沫感染、そして空気感染を起こします。
それぞれの言葉の定義は難しいと思いますが、麻疹はこの空気感染するというのが一番厄介です。
普通の風邪なんかでは、目の前でごほごほしている人がいたら「やばいな、うつるな」と感じると思いますが、これは飛沫感染です。
麻疹ウイルスは、ごほごほして飛び出したつばの水分が蒸発しても、飛沫核としてふよふよと空気中を漂います。ふよふよ長時間長距離漂ったウイルスが、息を吸い込む時に入り込む→そして感染を起こす。
これが空気感染です。
この飛沫核は非常にサイズが小さく、普通のマスクは素通りします。
飛沫感染では水分を多く含んでいるため、せいぜい1m程度の距離で落下します。
しかし、飛沫核は軽いため、1m以上長時間空気中を漂うことができます。
なので「同じ空間にいた」というだけで感染が成立してしまいます。
*空気感染を起こす病気というのは非常に限られていて、麻疹、結核、水痘(みずぼうそう)などしかありません。ですので、普段はあまり気にする必要はない感染経路ということになります。
一般的な風邪等の予防に、普通のマスクを使うことは有用ですので、ぜひご活用ください。
従って、通常のマスクでは、麻疹を予防することはできません。
ただし、飛沫感染という感染経路での感染を防ぐ意味では役立つので、全く役に立たないわけではありませんが、予防とは言えません。「マスクをしていれば安全」という意味ではないと心しておいてください。気休めとして付ける分には構わないと思います。
唯一麻疹予防ができるのは、N95マスクと呼ばれる、特殊なマスクになります。
スリーエムジャパン
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そして、顔の横に隙間があると、全く役に立ちません。横から空気が入っては意味がないのです。サイズがぴったりと合う物が必要です(本当に使用するのであれば、面倒なフィットテストというものをしなくてはいけないくらい、密着しないと意味がない)。
つけるとわかりますが、とても長時間作業する事は困難です。日常使いはできません。
市販されていますが、Amazon、楽天共に「N95」を謳っていながらプリーツタイプのサージカルマスクが販売されています。間違えて買わないでください。あれ、訴えられないのかな。
(あまりに腹が立ったので、N95マスクについてはまた後日記事にします。)
通常のマスクは、麻疹患者さんが他の人にうつすのを防ぐ意味では役立ちます(飛沫を飛散させないので、しないよりはマシ。付着したものが飛沫核となって浮遊する可能性はあるが、必要以上に拡散しない)。
もし感染の疑いがあって、受診を問い合わせて受診を指示された場合は、普通のマスクをして受診をしてください。
現在のところ、麻疹の予防はワクチン以外にありません。
一度も接種していない人、定期接種がまだのお子さん、とにかく早めに医療機関にお問い合わせください。現在MRワクチンが不足しています。
その他麻疹の記事については、「麻疹情報まとめ(当ブログ内)」をご覧ください。
(記事は下に続きます)
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