流行に従って、MRワクチンをうつ人が増えた、という需要と供給のバランスが崩れたというのがもちろん一番の理由ですが、他にも原因があります。
まず昨年末に第一三共株式会社が有効期間内に力価が下回る可能性があるとして、自主回収していたため、そもそも品薄だったというのが一つの原因。(正直、なんてタイミングで麻疹の流行がはじまったんだ、と思いました)。
第一三共の回収についてのニュースリリースはこちら。
『はしか風しん混合生ワクチン「北里第一三共」』並びに『はしか生ワクチン「北里第一三共」』の自主回収について
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006368.html
もう一つの原因は、MRワクチンの製造には時間がかかるということです。
阪大微生物研究会のビケンワクチンニュース(http://www.biken.or.jp/WP/wp-content/uploads/2013/08/201308.pdf)を見て頂くとわかりますが、国立感染症研究所による国家検定も含めて、1年半〜2年かかります。
もちろん、現在の流行を踏まえて、増産体制に入ったり、短縮出来る部分は短縮したり、ストック分を流通に回したりという工夫はされていると思いますが、とても年内に不足が解消出来る状況ではない、と思われます(実際の数値を見た訳ではないので、私の推察です)。
追記:神戸の小児科の先生が興味深い記事を書かれていました。
麻疹アウトブレイクとワクチン本数考
本当、お手上げ。幸いなのは、感染の拡大が予想していたよりもマイルドであるという点ですが、今まさに新規患者さんの出ている地域ではどうすればいいものやら……。
従って、現在はすでに流行がおきかけている地域、麻疹患者さんと接触のある人、定期接種分(1歳と就学前の子どもさんの分)の確保が優先され、それ以外では接種するのが難しい地域も出て来ています(まだ不足していないところもあるようです)。
「MRワクチンが不足しているのでうてない」といわれた場合の対処はどうしたらいいでしょうか。
(長くなりそうなので、次の記事にまわします「MRワクチンが不足して接種できない場合の対処法」)
その他麻疹の記事については、「麻疹情報まとめ(当ブログ内)」をご覧ください。
(記事は下に続きます)
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