虐待は遠い世界の話ではない

(この記事は性質上、もし今後娘がこの記事を読んだ時のために、最後に娘への個人的なメッセージを書いています。ご了承ください。)

虐待は遠い世界の話ではない、という事をtwitterで呟いたところ、多くの方に「私も経験があります」というコメントをいただきました。
ブログの方にも、一連のツイートと、1ツイートの字数で書けなかった部分を補足して、少し書かせていただきます。

元のツイートはこちらにあります。(自分のツイートにも引用表記っているのかな……)



子供を産んで、「虐待は遠い世界の話ではない」と感じた。
初めてのなれない育児でボロボロで、娘は何もかもイヤイヤだった2歳の頃が一番危険だったと思う。



泣いている娘に対して、怒りがおさまらず、明らかに過剰な叱責。
怒りのあまりに、相手をしなかったりした時。

あ、このままどこかで歯止めが効かなくなったら、そのまま虐待がはじまるのかな、と。


私の中で、一番の歯止めになったのは、「絶対的な力関係」を意識していた事だ。
この家で、娘は絶対に私には敵わない。知識も口も腕力も経済力も、なにもかも、親には敵わない。喧嘩は喧嘩にならない。

どんなに子供がわがままを言ったとしても、最後には親が勝つのだ。絶対に。

子育てをしていると、子供は一人の人格を持っていて、家の中では子供が中心で、自分と子供は対等な関係であると感じる。
しかし、対等である事を楯にしてはいけないと思う。
その対等な関係以前に、そこにはあくまでも「絶対的な力関係」がある。
そこを間違えてしまうと、対等である事を理由に、圧倒的な有利な条件での喧嘩を子供にしかけてしまう。
勝つ事のない喧嘩を子供に押し付ける事は、おそらく、子供に多大なストレスを負わせる事になると私は考える。

疲れ果てている時に、子供に振り回されて、我を忘れてしまう時もある。
そんな時に「絶対的な力関係」を思い出せば、冷静になれるのだ。



そして、辛い時ほど家にはこもらない方がよい。外部の目が届かないのは、「絶対的な力関係」をエスカレートさせる。
とにかく2人きりにならない方がいい。
イヤイヤ期は、ただ外出する事、それだけでストレスになる。家から出るまでに1時間かかる事もざらである。
それでも、2人きりの世界に風を通す意味がある。




それからもう一つ。
どんなに軽くでも、暴力は振るわない誓いを、立てていた。
暴力はエスカレートする。必ずエスカレートする。そう考えた。
軽く叩く事。それがスタートになる。
あげた手を、反対の手で押さえた事もある。

だから、もし手をあげそうになった時は、抱きしめた。
危ない事をしたら、抱きとめた。
そうすれば、叩く必要は、なくなった。


私は虐待はしていない。
だが、虐待のニュースを見ると、あれは私だったのではないかと思う。歯止めがきかなかった私の、過去の、今の、未来の姿ではないかと。
それはとても、怖い。

このかわいい娘を、絶対に虐待なんて、したくない。
辛い思いなんて、一つもさせたくない。
それでも、あのニュースは、他人事とは思えないのだ。


私は娘を愛している。
「だーいすき」なのだ。
仲も良い。娘は優しい。かわいい。世界一の娘だ。
それでも、虐待のニュースを見ると、こんな事を考える事がある。


虐待は遠い世界の話ではない。




これまでに虐待なんて考えた事もない人。

こんな事を思う人間もいるんだなという事、こうやって踏みとどまったんだなという事、その事を知っていてもらえたら、もしかすると1人でも踏みとどまれる人が増えるんじゃないかと、ただそれを期待して、恥を忍んで長い独り言を呟きました。
お目汚し失礼しました。


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(この記事は性質上、もし今後娘がこの記事を読んだ時のために、最後に娘への個人的なメッセージを書いています。ご了承ください)

私の大切な娘へ。
私はあなたが大好きです。
まだ首も座らず、にこにこ笑顔をみせるあなたを見て、
「この子を、幸せな事だけで包んであげたい。何一つ辛い思いをさせたくない。幸せだけで育ってほしい」
と思った事を覚えています。
それでも、仕事をやめて家事をしながら、なれない子育てをする事、それはママにはとても大変な事でした。
私はあなたに手をあげなかったけれど、そして虐待と呼ばれる段階の事はしていないけれど、それでもなにかの拍子に、あなたに辛い事をしてしまったかもしれない。そんな事を思う事があります。
同じように悩んで、今日も頑張っているお母さんやお父さんが、世の中にきっといると思います。
もしそんな人たちが、このママの文章を読んで、なにか少し、踏みとどまるきっかけになるかもしれない。そう思って、この文章を書きました。

でも、誓って、あなたに辛い思いをさせようと考えた事はありません。


でも、あなたには、決して辛い思いをさせたくないのに、怒り過ぎて、何度も後から謝った事があるね。本当にごめんなさい。

そして、そんな風に謝る事で、あなたを無理矢理大人と同じステージに立たせてしまった事、その事もごめんなさい。
この文章を読む頃には、もう随分大きくなっているだろうけれど、その時には、一緒にお話をしましょう。
そしてその時に、あなたが私にされて辛かった事を、教えてください。
それから改めて、私を親にしてくれたあなたに、お礼を言わせてくださいね。



(記事は下に続きます)
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