3歳未満(生後6ヶ月以降)の日本脳炎ワクチン接種について


日本脳炎ワクチンについての一連のツイート

先日twitterで日本脳炎についてあれこれツイートさせていただきました。



日本脳炎は、

日本脳炎ウイルスに感染した豚を蚊が刺す
→ 日本脳炎ウイルスをもった蚊がヒトを刺す
→ヒトが日本脳炎ウイルスに感染する

という風に感染します。ヒトからヒトにうつるわけではないんですね。豚から(蚊を介して)ヒトにうつります。
日本脳炎ウイルスに感染しても、発症(症状が出る)のは1000人に1人程度なのですが、発症すると上記に書いてある通り、2〜4割が死亡、死亡せずとも半数が後遺症として神経障害を患うという、非常に厄介な感染症です。

なぜ日本脳炎ワクチンは3歳からが標準接種なの?

そもそもなぜ日本脳炎ワクチンが3歳からの標準接種とされているのか。
調べてみると、2001年の国立感染症研究所のQ&Aに回答がありました。
古い内容なので他の情報は読み飛ばしていただきたいのですが、要するに「3歳未満は罹患の確率が低いわけではなく、他に優先すべきワクチンがあるから」というのが回答のようです。

更に国立感染症研究所の資料を探してみると、このスライド内に2005年〜2014年の小児の日本脳炎の症例の一覧が出てきました。


0歳から10歳まで幅広く、3歳未満が半数を占めます。
これを見ると、確かに3歳未満での感染の可能性が低い、という事はないですね……
やはり、感染の可能性が高い地域では、3歳より前倒しで接種する方がいいな、という印象をうけます。


6ヶ月以降からの日本脳炎ワクチン接種スケジュール

3歳未満のワクチン接種については、日本小児科学会が「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」という文章を発表をしています。

・日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児
・最近日本脳炎患者が発生した地域&ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児

に対して、生後6か月からの日本脳炎ワクチン接種開始を推奨しています。

ワクチンスケジュールを、日本小児科学会の文章から引用します。

生後6ヶ月から2回接種(不活化ワクチンなので接種間隔は6日以上)、その後初回追加を1歳頃(初回免疫終了から6ヶ月以上)に1回。そして2期はこれまでと標準的な接種スケジュールと同じく、9歳〜13歳未満です。
1期だけを前倒しにするんですね。
3歳未満はワクチンの薬液量が少ないのが特徴です(それでも2期までの免疫は十分つくとされています)

6ヶ月以降3歳未満の日本脳炎ワクチンの費用は? 公費?

twitterで
「早くうちたいから自費で接種しようかな……」
という反応をいただきましたが、6ヶ月以降であれば公費で接種可能です。定期接種の対象で、1期から無料(自己負担なし)で接種できます。

対応について、もしかすると各自治体で差があるかもしれません。

「日本脳炎ワクチン (市町村名)」

で検索をしてみてください。当該ページが出てくるかと思います。
もし適切なサイトが出て来なかった場合は、直接市町村にお問い合わせください。


3歳未満の日本脳炎ワクチン接種の問題点・ワクチン不足の話

現在問題なのは、自治体や医院によって対応がまちまちであるという事です……
理解のあるところもあれば、「3歳でいいんじゃない?」という反応をされる事もかなり起こっているようで、これはぜひ啓蒙をすすめて欲しいところです……。

私としては、日本国内であればどこでも旅行する機会もあるのだし、前述の文章を見る限り、3歳以降にあえてする意味もあまり感じません。
他の予防接種スケジュールとの兼ね合いもありますが、ブタの日本脳炎抗体保有率(要するにブタが日本脳炎のウイルスに感染していますよ、という率)が高い地域にお住まいの方は、一度かかりつけの病院に問い合わせてもらえたらな、と思います。

国立感染症研究所によるブタの日本脳炎抗体保有状況 2017年最後の報告から画像引用します。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/je-m/2075-idsc/yosoku/sokuhou/7711-je-yosoku-rapid2017-12.html
こちらに細かい数値があります。白の部分は未調査です。抗体陽性率80%を超える地域が沢山ある事がわかるかと思います。

そして、まだ日本脳炎ワクチン、不足しています。
徐々に生産が追いつくはずですが、ワクチンは急に増産できるものでもありませんので、まだしばらく品薄状態が続きます。
優先されるべきは、まずは初回免疫(初めて最初の2回分の日本脳炎ワクチンを接種する)の子供です。これは3歳以上だけではなく、6ヶ月から3歳未満のお子さんも含まれます。
地域によって、なかなか予約もとれないかと思いますが、これから蚊の季節です。8〜9月に日本脳炎の患者さんが多く出ています。ぜひそれまでに、初回の接種をしたいところです。

ちなみに、私の住む地域では、在庫の不足はないようでした。夏休み前だったので、タイミングがよかっただけかもしれません。
ですので、
「でも不足しているかも……」
と悩むより、まずは電話をかけてみましょう。

娘3歳、いろいろありましたが、やっと初回免疫の2回、終了しました。
虫除けで蚊対策はしていきますが、とても怖かったのでほっとしているところです。

忙しかったり、子供さんの体調がなかなかよくなかったり、ワクチンスケジュールに目が回りそうになっているかもしれませんが、日本脳炎ワクチンの事、少しでも考える機会になれば幸いです。


参考サイト
IDWR感染症発生動向調査週報:読者のコーナー
http://idsc.nih.go.jp/idwr/faq2001-2.html#q0204
平成28年度感染症危機管理研修会資料(国立感染症研究所感染症疫学センター)
日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=197
ブタの日本脳炎抗体保有状況-2016年度速報第8報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/y-sokuhou/668-yosoku-rapid.html
日本脳炎とは・国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html
ブタの日本脳炎抗体保有状況-2017年度速報第12報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/je-m/2075-idsc/yosoku/sokuhou/7711-je-yosoku-rapid2017-12.html


(記事は下に続きます)
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