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2017年5月10日水曜日

おにぎりの食中毒の話〜素手とラップと黄色ブドウ球菌と〜

ラップを使っておにぎりを作るのは愛情が足りない?


さて先日こんなツイートをしたわけですが、


良くも悪くも反響があったのでアンケートしました。

まだ結果は出ていませんが、素手の方がかなり多い事がわかります。
これは、素手でもできるだけ食中毒の危険の少ないおにぎりの作り方をまとめておくべきだ。
と思いましたので今回の記事を書かせてもらいます。



黄色ブドウ球菌食中毒の原因食材の約4割が「おにぎり」


さて、実は「おにぎり」……黄色ブドウ球菌食中毒の原因食材として有名です。
東京都福祉衛生局によると、黄色ブドウ球菌食中毒の約4割がおにぎり
原因食材としては、他にもサンドイッチ、弁当、調理パン、和洋生菓子などなど、手が触れる形で調理する食材で多く起こっています。




黄色ブドウ球菌ってなに?

この黄色ブドウ球菌。どこにいるかというと、傷口に沢山います。
が、実は傷口だけでなく、健康な人でも30%くらいの人が手指や鼻腔にいるという、どこにでもいる菌(常在菌)です。

特徴としまして、「塩に強い」という特徴があります(耐塩性)。例えば、7.5%の食塩の入った培地でも増殖します。
7.5%ってかなり辛いですよ。92.5mlの水に7.5gの塩を加えたものになります。飲めるレベルではないです。

ただし、この菌自体は熱にそこそこ弱いとされていますので、加熱する事で対策ができます。

それに、黄色ブドウ球菌自体は、少量であれば口にしても食中毒は起こしません。胃酸などがありますので、お腹の中では増殖できません。傷口を舐めてもお腹を壊さないのはそのためですね。

そんなわけで、菌自体では食中毒はそうそう起こしません

黄色ブドウ球菌の恐ろしい「毒素」エンテロトキシン

ではなぜ食中毒の原因になるのか。

実はこの菌自体で食中毒が起こるわけではありません。
しかし、この黄色ブドウ球菌が付着した食材。そこで菌はどんどん増殖します。
増殖する時に毒素(エンテロトキシン)を出します。
この毒素によって食中毒が起きます

このエンテロトキシンは厄介で、胃酸でも消化されず、熱でも容易には壊れません(100℃30分でも壊れません)。

この毒素を口にすることで、およそ3時間程度で激しい吐気(嘔気)、嘔吐、腹痛、下痢などなどの食中毒症状を起こします。

恐るべし、エンテロトキシン。

「おにぎり」で食中毒を出さない方法

おにぎりに話を戻しましょう。


  1. 手がこの菌が付着した状態でおにぎりを作る
  2. 時間が経つにつれて菌が増えて毒素たっぷりのおにぎりになる
  3. 食中毒


という流れで食中毒を起こします。

ではどうすれば食中毒を起こさないか。

「おにぎり」に菌を付けない!

まずは、菌を付けないことです。

どの人の手や鼻に黄色ブドウ球菌がいるかは検査しないとわかりません。いるものと思っておく方が無難です。
また、手が荒れていたり、できもの(おでき)ができている時は、作らない事がベストです。作るとしても、ラップや手袋が必須になります。

まず、手を洗いましょう
衛生学的に正しく洗わないと意味がありません。まずは手荒い方法を身につけてください。

手洗いについてはこちらの記事を参照。記事自体はノロウイルスの話です。
http://halproject01.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html


その上で、できれば手袋やラップを使用すると、菌が食材につく可能性がぐんと減ります。おすすめします。


「おにぎり」で菌を増やさない!

次、菌を増やさない工夫をしましょう

食べるまでの時間を短くしましょう。短い時間であれば、食中毒を起こすほどには菌が増殖しません。
長く保存するお弁当などに使う場合は、素手は避けた方が無難です。

また、保存する温度を低くする事で菌の増殖を抑制できます。涼しい場所(できれば10℃以下)で保存するなどの工夫をしましょう。


素手でできるだけ安全におにぎりを作るには


  • 先ほども言いましたが、塩では黄色ブドウ球菌は防げません。塩おにぎりでは無理だと思ってください。
  • 手が荒れていたり、できもの(おでき)ができている時は、素手で作るべきではありません。この場合は、できれば食品を扱わない事がベスト。どうしても作らなければならないときは、どうか手袋などを着用してください。
  • 手がきれいな状態であれば、衛生学的な手洗いをきちんとしましょう
  • そして、早く食べることです。昼ご飯直前に作って、さっと1時間以内に食べる、というのであれば危険は少ないと思います。




愛情表現はいろいろあると思います。
手で握る塩おにぎりが好きな人も沢山いるでしょう。
けれど、食中毒を起こしてしまっては、元も子もありません。
「にぎりめし」による食中毒が多い事がわかってから、工夫しながら徐々に黄色ブドウ球菌の食中毒が減って来たという過去があります。
最近は少ないため、みなさんの注意もあまりされなくなってきた頃かもしれません。
少ないのは、みなさんが工夫しているからです。
これからも食中毒を出さないように、上手に美味しいおにぎりを作ってくださいね。




参考サイト
ブドウ球菌食中毒とは/国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/511-aureus.html
第1回 食中毒予防はじめの一歩 こうして起こった食中毒|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/guide05.html
公益財団法人 北九州生活科学センター
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/charivari/2006_07/2006_071.htm

https://www.pref.chiba.lg.jp/eiken/eiseikenkyuu/saikin/documents/11sta-kensa-2014.pdf
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