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2016年11月30日水曜日

ノロウイルス等の嘔吐下痢症〜嘔吐時のホームケア1〜

寒くなってきました。そろそろ嘔吐下痢症が増えてきていると思います。
さて、嘔吐下痢症。
感染性胃腸炎、急性胃腸炎と呼ばれるもので、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどが原因で起こります。
中でも感染力が強く、冬場に増えるのがノロウイルスによる嘔吐下痢症。
秋冬に元気にしていた子どもが、突然げぼっと吐いたら「あっ、嘔吐下痢だ!」と思って、原因がノロウイルスであるかどうか判明するのを待つ事なく、自分を含めて他の人に感染させないように対処することが大切です。(また項を改めて記載します)


今回は、嘔吐時の脱水補正、家でできる経口補水療法の話。
嘔吐下痢症だからといって、必ずしも受診が必要になるわけではありません。
特に嘔吐が始まった初期は、車で移動している間にも吐きますので、まずは家でケアできるようにしておきましょう。
また、主に乳幼児や子どもさんを対象に書いていますが、基本は大人も同じです。

嘔吐下痢症の嘔吐時のホームケア〜脱水補正のための経口補水療法〜

用意するもの

  • アクアライトORSなどの経口補水液
  • ティースプーン




何度か吐いても、いきなり脱水になるわけではありません。特に下痢が始まるまでは、急激に脱水が進むわけではありません。
激烈な嘔吐があるのは、最初の数時間だけですので落ち着いて対応してください。

吐いている最中は、基本的に「飲んだら吐きます」。無理に飲ませず、待ってあげてください。特に最初の6時間程度は吐気も強いので、嘔吐が落ち着くまで絶飲食で様子を見ます
嘔吐が落ち着いてきて、そろそろ1時間ほど吐かないかな……くらいになったら水分補給を開始します。
アクアライトORS(乳幼児向け)、OS-1などの経口補水液があればベスト。なければ、飲めそうなものを飲ませてあげてください。
後ほど、経口補水液の簡単な作り方(レシピ)も紹介致します。
スポーツ飲料はできるだけ避けてください。糖分が多過ぎて、経口補水療法には向きません。


1さじ(小さじ1杯で5ml程度)からはじめて、様子を見ながら徐々に増やしていきます。いきなり沢山飲ませてはいけません。とにかくゆっくり。
CDCのガイドラインでは「5分毎に5mlという限られた量で与えると大部分は脱水から回復する。スプーンかシリンジで注意深く様子を見ながら徐々に増やす」というような表現をしています。
5分毎に1さじずつあげれば、1時間で60ml飲めます。
吐気次第でもう少し増やしてみて、(体重次第ですが)まずは1時間に100ml(コップに半分)もあげれれば上出来、くらいの気持ちでやってください。焦らずに続けましょう。
コップやストローで飲ませると、喉が渇いていて急いで飲み過ぎるので、できるだけスプーンや薬を飲ませるスポイト、シリンジなどを利用してください。
吐いた時は、また少し時間を空けてから(30分程度)1さじからやり直しましょう。
ある程度量が飲めるようになって、吐かなくなれば、本人が飲みたがるだけ飲ませてあげて大丈夫です。


嘔吐下痢症で嘔吐中の赤ちゃんへの授乳と粉ミルク

CDCのガイドラインでは「嘔吐下痢症でも母乳は常に続けて制限しない」「人工栄養(粉ミルク)の赤ちゃんはいつもの粉ミルクを十分あげる」というような記載です。
ただ、嘔吐中は吐きます。(そりゃそうだ)
ですので、嘔吐が続いている時は、飲ませると飲ませるだけ苦しくなって吐くのは大きな子と同じですので、少し休ませてあげてください(うちもかわいそうで母乳を飲ませたら、嘔吐がひどくなって返ってかわいそうなことになりました)。
少しおさまってから、上記のように「少量頻回」の法則であげましょう。
おっぱいだと飲み過ぎるようであれば、搾乳してスプーンであげてよいかもしれません。
粉ミルクも同様です。薄めずに作って大丈夫です。
とにかく少しずつ・ゆっくり・根気よく。それが回復の近道です。
授乳中の赤ちゃんは、無理に経口補水液である必要はありません。母乳で十分です。
ただ、ついむしゃぶりついて一気に飲む→吐くということは考えられますので、お母さんが調節してあげてください。

こんなに吐いてるけど大丈夫? 嘔吐下痢症の時の受診の目安

大体は、根気よく飲ませているうちに吐気もおさまります。
ノロウイルスによる嘔吐下痢症の場合、その後に下痢が続いてきますが、きちんと出る分に見合うだけの水分を摂取させることができれば、無理に受診する必要はありません。

一つの目安は「おしっこが出ていること」です。
色の薄い尿がしっかり出るようになれば、脱水は補正できていると言えます。

小児科などの受診が必要なるのは主にこの「脱水」が進んだ場合です。
この場合は、口で飲む経口補水療法ができない、もしくは追いつかないため、点滴による脱水補正が必要になります。

治療が必要な脱水を含め、受診の目安としては、

・嘔吐が半日以上続き、飲んでも吐いてしまうことが続く
・おしっこが出ない、泣いても涙が出ない、唇が乾いている、汗をかかない
・高熱が出る、血便が出る、腹痛が強いなどの症状がある
・月齢が3か月未満、心臓に持病があるなどのリスクが高い
・吐いたものが赤い、緑色、黒だ(血や胆汁が混じっている)

など。これらがある場合は受診の必要がある可能性が高くなります。一度電話で連絡をして、症状を伝えて受診しましょう。
判断がつかないときはこちらもご活用ください。

 こどもの救急(1か月〜6歳まで)ネットで簡単に受診目安を判断できます
  http://kodomo-qq.jp
 小児救急電話相談
 (#8000をプッシュすれば自動でお住まいの都道府県窓口に転送されます)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

一つ、脱水の治療の時の参考になるのが「普段の体重」です。体重がどのくらい減っているかで、脱水の程度などを推定できます。
ですので、普段から時々体重だけは測っておいてください。
また、受診の際には、いつ頃どのくらい飲んだか、どのくらい吐いたか、いつおしっこをしたか、下痢はどうか……などもメモを取っておくと話がスムーズです。


自宅で簡単にできる経口補水液の作り方

アクアライトやOS-1は比較的高価なので、家庭で作ることも可能です。
ただ、実際には調整するのもハラハラするくらい嘔吐したりしますので、できれば少量でも常備しておくことをおすすめします(いざという時にさっと使えて、やはり便利でした)。
実際、「砂糖と塩の量を間違える」ということをやらかす可能性があります。

材料

  • 水1000cc
  • 砂糖40g(大さじ4と1/2杯)
  • 塩3g(小さじ1/2杯)

作り方

  1. 混ぜて溶かす


以上です。下痢が酷くなった時にはカリウム補正が必要になるので、なんらかの果汁を混ぜると飲みやすくなる&カリウム補給ができるようになります。
恐らく美味しく感じませんが、脱水時には美味しいそうです。飲めそうならまずは砂糖と塩だけでも十分。

しかし、やはりできれば少量でいいので、家になんらかのORS(経口補水液)を常備してほしいなと思います。作り間違えのリスクもあり、CDCのガイドラインでも市販のORS(経口補水液)を準備することを推奨しているようです(塩と砂糖を逆にしてしまうなどの事故が起きているようです)。
結構持ちます。使わなかったときは、夏の脱水補正にも使えます。

by カエレバ
アクアライトは1本は少なく感じるかもしれませんが、脱水補正時にはこのくらいの方が便利。無駄になりません。我が家も常備しています。

by カエレバ

親も使うことを考えるとOS-1もよいでしょう。ただ500mlなので、乳幼児だと恐らく余ります。
個人的にはアクアライトORSの方がおすすめ。大人ならOS-1でいいですよ。


嘔吐下痢症の嘔吐は、とにかくいきなり始まります。しかも夜間に一発目が来る事も多く、パニックになります。
ですので、まずは知識を蓄えておくこと。
それから、もし吐いた時にはどうするか、心の準備を整えておくこと。
2016年はかなり流行が早くきています。早めに念のための経口補水液も準備しておきましょう。


嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)についての知りたい方はこちらもどうぞ。
ノロウイルス等の嘔吐下痢症〜嘔吐時のホームケア1〜(脱水補正、経口補水液の作り方など)
ノロウイルス等の嘔吐下痢症〜予防に手洗い・マスク・消毒を〜
ノロウイルス等の嘔吐下痢症〜消毒と消毒液の作り方〜


参考サイト

Managing Acute Gastroenteritis Among Children: Oral Rehydration, Maintenance, and Nutritional Therapy
https://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5216a1.htm
乳幼児の経口補水療法|ベビーケアレポート(専門情報)|離乳食、粉ミルク、ベビーフードの和光堂
http://www.wakodo.co.jp/ikuji/kankeisha/report/baby11.html
9.経口補水療法.pdf
http://www.tch.toyama.toyama.jp/sinryou_info/kakubu_info/9.%E7%B5%8C%E5%8F%A3%E8%A3%9C%E6%B0%B4%E7%99%82%E6%B3%95.pdf
経口補液: 脱水症および輸液療法: メルクマニュアル18版 日本語版
http://merckmanual.jp/mmpej/sec19/ch276/ch276c.html
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