2016麻疹流行についての総括

ようやく、患者の発生ゼロの週が出ました。
その後も2週続けて患者発生が1件(ただし国内発生ですが)ずつであり、2016年の関空の集団感染をはじめとした流行は一旦の終息をしたものと思います(定義とは違いますが、流行発生前の患者発生状況とほぼ同じになったので、こういう表現をさせてもらいます)。

今後も気になる情報があればアップしていきますが、週報の更新は一旦終了致します。
気になる方は、こちらで毎週更新されていますのでご覧ください。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/hassei/575-03.html



関空の麻疹集団発生の犯人探しをしても仕方がないのですが、こういう報告が出ていました。

関西国際空港の利用日および/またはウイルス遺伝子型が共通する麻しん報告例
http://www.nih.go.jp/niid/ja/hassei/6865-measles-kankuu-20161102.html


滞在先の中国からやってきた患者Bが日本にやってきて、7月下旬に麻疹とおぼしき症状を発症。7月31日に関空を利用してまた中国へ渡航。
この患者Bが恐らく感染源だったのだろう、ということのようです。

この患者Bが悪いとかそういうことではありません。
まだ海外の国によっては、麻疹が普通に存在している国があります。
そのため、麻疹に対する感受性のある人(免疫のない人)が渡航すれば、当然感染します。
また、それらの国々から、当然ですが日本へ持ち込まれる可能性も大いにあります。
麻疹は潜伏期間も長いので、空港など水際で全てを食い止める事は不可能です。

それでは今後、こういった持ち込みをできるだけ起こさせない、また持ち込まれても流行しないためにはどうしたらよいか。
それは、麻疹への感受性のある人を、できる限り減らす事です。
つまり、麻疹への免疫がある人を増やす。
麻疹への免疫をつける方法、これは「麻疹ワクチンを接種すること」に他なりません。
流行がおさまった今のうちに、これまでにMRワクチンを2回接種していない人、1回もうけたことがない人、うけたかどうかわからない人は、ぜひ、MRワクチンの予約をしておいてください(まだ品薄のところがありますが、順次出荷されるため、いずれ接種可能になるはずです)。
そして、定期接種対象のお子さんをお持ちの方は、子どもを助けてあげるために、急がし中大変とは思いますが、なんとか予防接種をうけにいってください。

どうしても、医学的に麻疹ワクチンをうつことができない人、というのが存在します。
そしてこれらの人は、麻疹が流行した場合に命の危険に晒されます。
みんなでみんなの命を守りましょう。
麻疹の流行を食い止めましょう。


2016年の麻疹についての個別記事はこちら。


麻疹情報まとめ(当ブログ内)」をご覧ください。

(記事は下に続きます)
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