離乳食は難しい・わからないと悩む前に

「5、6か月になったら離乳食を始めましょう」
「初めて食べる食材は1さじから与えましょう」
「最初は十倍粥を1週間、1日1回午前中に与えましょう」

云々、育児書や離乳食の本にやり方が書かれています。
が、読めば読むほどややこしい。わからない。難しい。
まず量がよくわからない。どこまで増やせばいいのかわからない。
書かれてない食材をいつから与えていいかわからない。
そもそも、書かれているメニューがまずそうである。

初期はこんな食材を潰して裏ごして、量は徐々に増やして、それからもう少し硬めの物を……

こんなややこしいことを、全てのお母さん方が理解して実行しとるのか!
と思って、周囲にちょっと問いかけてみると、

「一人目の時は真面目に離乳食作ったけどねえ、二人目は適当よー。大人の食べる物を取り分けてたわ、あはは」

という意見を複数人からいただきました。

なんなんだ、このギャップ。


……で、仮説を立てました。
恐らく彼女たちは、
一人目の時は離乳食のことがよくわからないから、育児書などを参考にして、清く正しい離乳食を作った。
しかし、一人目を育てるうちに、「離乳食の意味を理解した」。
そのため、二人目以降は、その「離乳食の意味」に沿った食事を与えていたため、適当に済ませることが可能であった。
のではないか?

その観点から、厚労省のガイドラインやWHOのガイドライン(一部)を読んで、

離乳食は、楽しく一緒にご飯を食べる準備であり、難しいことではない!

と結論付けました。

「どうやって離乳食を進めるか」も、最終目標から逆向きに考えればよいのです。

一緒に楽しくご飯を食べる、ということは、一日三回、大人と同じ食材を、同じ調理方法で、同じ味付けをした物を食べます。
が、これまでおっぱいしか飲んでない赤ちゃんに、いきなりステーキにショートケーキにフランス料理フルコースを食べさせようとしたら、そりゃあギャン泣きされるでしょう。

じゃあどうするか。

食べやすい物を、食べやすい形にして、少しずつあげればいいわけです。
 →で、これをわかりやすく言うと、「まずは十倍粥から、すり鉢で潰して裏後した物を、まずは1さじから」になるわけです。
別に米じゃなくても本当はいいんです。
世界中の離乳食を考えれば、米からスタートする地域なんてごく一部。芋や豆や麦など、色々なものを世界ではあげています。
昔なんて、果汁を早々と飲ませてたわけですしね(それでアレルギーで四苦八苦したとか、腹を壊したなんて話は聞きませんから、問題ないんでしょう)。


食材は、一気にカレーライスを食べさせて、もし顔にブツブツが出たりしたら、なにが原因かわかりません。沢山食べさせるとアレルギーの程度がひどくなるので、少ない方がいいでしょう。
 →というわけで、「新しい食材は1日1種類少量から、病院が開いてる平日午前中がベスト


食べさせちゃいかん食材というのも、もし腹を下したら、それはまだ消化しきれない食材だから後回し、でいいかもしれませんが、それはちょっとかわいそうなので
 →「脂の多い肉などはもう少し待って。卵・肉・魚はしっかり加熱しよう


あとは、アレルギーになりやすいから、
 →「食材は基本加熱。アレルギーを起こしやすい卵白・小麦・牛乳をあげる時は少し慎重に、でも無駄に遅らせずにすすめよう(牛乳は鉄不足を考えて、飲料としては遅めに)


特殊な物は、昔ボツリヌスに感染した例があるので、
 →「蜂蜜は1歳までやめとこう


丸くてつるっとした誤嚥しやすいものや喉に詰まりやすいものはちょっと注意
 →「ピーナッツや枝豆、ミニトマト、餅なんかは丸ごとあげない。皮を剥いたり、切ったり潰したりしよう


ゴックン期などの食事のステージも、「⚪︎ヶ月になったら次のステージにステップアップをしなくてはいけない」
のではなく、
「硬いのをあげて食べてくれるならそれでいいけど、大体⚪︎ヶ月くらいまでは食べてくれないから、そこまで待った方がスムーズにいくよ。丸呑みしちゃうし」
という先人の知恵であり、清く正しくそのステップアップを踏む必要もない、と思います。(誤嚥しそうなものだけは注意してあげてください。)


メニューも、大人と同じです。ご飯とメインディッシュ、それに付け合わせ。
要するに、炭水化物の多い主食、タンパク質の多い主菜、野菜などの副菜。
3品作れと言うわけではなく、炭水化物(米、小麦、芋など)と、タンパク質(肉、魚、豆、乳製品など)と、ビタミン類(野菜、果物)が一食で摂れればベスト。
一食で摂れなければ、数食のうちに偏りなく摂るようにするのがベター。
毎日同じじゃ大人でも飽きるし体にもよくない。というわけで、毎日色々摂ればよりベスト。(無理ない程度に)

初期なんて、そもそも量が微々たるもので、ほとんどは母乳から摂取しているのですから、バランスよりもいろんな食材に馴れさせよう、くらいの気軽さで十分です。
量は、しばらくは母乳やミルクがあるので、食べれるだけ食べさせればオッケー。
どこまででも食べちゃう……というのなら、ざっくり体重から、大人の何分の一くらいか考えてみる、というのも一つの手(実際には、それよりも多くのエネルギーや栄養を必要としますが、母乳やミルクで足りない分は補えるため)。
最初は食べなくても大丈夫。母乳やミルクだけでも生きていけます。大丈夫。
ただ、足りない栄養素なんかもあるので、スローペースでも離乳食は進めましょう。
バランスや量を考えるのは、母乳やミルクより離乳食から摂取する分が多くなってきてからで十分です。

食物アレルギーについては、「出る人は出るし、出ない人は出ない」です。離乳食を遅らせれば出ないというものではなく、最近の研究ではむしろ早くから食べさせる方がよいというものもあります。一般的な離乳食の本で出て来るくらいのペースで食べさせれば十分です。
食物アレルギーが出やすい子というのもいます。乳児湿疹がひどい、家族にアトピーや喘息等アレルギー疾患を持つ人がいる、などの人は、新しい食材は「平日午前中小さじ1から」あげるのがよいと思います。症状が出ても病院が開いている時間なので対応が早くなります。
アレルギーを起こしやすい食材は、卵、牛乳、小麦。他にもピーナッツ(ナッツ類)、果物、魚卵(いくらは生ですよ、注意)、海老カニの甲殻類、ソバなど。



こんな風に考えれば、ほら、離乳食なんて難しくない。
だから、
「もうすぐ離乳食……どうすればいいかわからないし、憂鬱……」
なんて悩まずに。
「最近、ママの食べているものが気になってしょうがないみたい。ちょっと食べさせてみようかな?」
そんな気軽な気持ちで、一緒に離乳食をスタートしませんか?

そんな私も離乳食初心者。
偉そうに書いてますが、自分が不安でわからなかったからこんな記事を書いたのです。
一緒にがんばりましょう。

離乳食の塩分についてはこちら
離乳食の塩分について〜2015年日本人の食事摂取基準もふまえつつ〜

「離乳食」のついている記事一覧

別ブログで離乳食の記録をつけています。日々の離乳食とそれにまつわるあれこれを書いているだけですが、興味のある方はどうぞ。
こちらは非常に分量など細かく書いています。後から読む人にわかりやすくしようというのと、ミルクアレルギー疑いがあったため細かく計測しました。こうやって細かくやれという意味ではありませんが、量など参考になれば)

参考サイトなど
厚生労働省:「授乳・離乳支援ガイド」の策定について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0314-17.html


(記事は下に続きます)
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