保湿剤でアトピー性皮膚炎の発症が減少した、というニュース

<アトピー性皮膚炎>保湿剤で乳児の発症率3割減少(毎日新聞) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141001-00000110-mai-sctch
(現在閲覧できません)

世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)
https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html
pubmedにある論文のアブストラクトはこちら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25282564

オープンアクセスにしてくれているので、論文の全文も読めます。
Application of Moisturizer to Neonates Prevents Development of Atopic Dermatitis.
Journal of Allergy & Clinical Immunology (11.248) Vol. 134, Issue 4, October 2014.
http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(14)01160-9/fulltext


このタイプの前向き研究は難しいだろうと思っていたのですが、国立成育医療研究センターが研究成果を発表しました。
概要を説明すると、アトピー性皮膚炎のハイリスク群にあたる乳児に、保湿剤を全身に塗る群と特別ケアしない群に分けて生後1週から8か月間フォローした結果、保湿剤を塗った群の方が、なにもケアしない群と比較して32%発症率が減少した、というもの。
皮膚のバリア機能が悪化してから保湿剤を塗るのではなく、保湿剤を塗る事でバリア機能を悪化させなかった、というのがキモなのかな、と思います。



ステロイド関係の話で書く予定ですが、食物アレルギーの発症とアトピー性皮膚炎の関係性は前から指摘されています。
その原因の一つとして、皮膚のバリア機能が弱っているところから、直接食物の抗原が侵入し、感作されて、食物アレルギーを発症する、というものがあります。
今回の研究でも、やはりアトピー性皮膚炎を発症した乳児の方が、卵アレルギーの抗体価が上がっていたとのこと。

家族にアトピー性皮膚炎の既往のある人がいるなど、アレルギー素因の強い赤ちゃんをお持ちの方は、「今はお肌がツルツルだから……」ではなく、予防のためにも是非「入浴の後には保湿剤」のケアを頑張ってみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの皮膚トラブル〜保湿剤について考える〜に、ぐだぐだと保湿剤の使い方を書いてますので、興味のある方はどうぞ。

(記事は下に続きます)
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