赤ちゃんの皮膚トラブル〜保湿剤について考える〜

(ざっと書いたので、あとから修正するかもしれません)

とんでもなくデリケートな赤ちゃんの肌。
人によりけりですが、湿疹などでお悩みの方は数多くいるでしょう。
よほど脂ギッシュなオイリー肌の赤ちゃんでないならば、皮膚のバリア機能の未熟な赤ちゃんには、入浴後の保湿は是非励行してもらいたいところです。

というわけで、今回は「乾燥がメインとなった皮膚トラブル」を「保湿剤」で解消しようという話。

入浴すると水浸しなので、「湿ってるから保湿なんていらないじゃん」と思ってしまいそうですが、実際にはそのままにしていると、その後どんどん乾いて、現在ある水分も奪われていくことになります。
ですから、「洗ったら急いで(できれば5分以内に)保湿」がおすすめです。(これについては詳しく「赤ちゃんに保湿剤を塗るタイミング〜入浴後の保湿の必要性〜」で解説しています)

さて、保湿剤はいろいろあるわけですが、どうやって選んだらいいか。

保湿剤の種類を考える〜プロペト・白色ワセリン〜

赤ちゃんによく使われるのは「プロペト(商品名)」と呼ばれるもの。簡単に言うと、石油から精製に精製を重ねてできた、非常に不純物の少ない油脂状の物質です。純度が少し低いものが「白色ワセリン」、もっと純度が低いと「黄色ワセリン」になります(プロペトも一般名は「白色ワセリン」です)。
石油から……というと「そんな人工的なもの!」と拒否反応を示す方もいらっしゃいますが、石油ってこれ以上はないほど天然資源ですから、そのあたり、どうぞ気持ち悪がらずに使ってくださいね(石油がどうやってできるかご存知でない方は、一度調べてみてください)。

赤ちゃんに使うなら、できればプロペト。しかし白色ワセリンの方が手軽に手に入りますし、特に問題になることはありませんので、白色ワセリンでも十分でしょう。安いです。
プロペトは処方してもらうと手に入りますので、皮膚トラブルがあるようであれば小児科で相談してみてください。(更に純度の高いサンホワイトというものもあるそうですが、残念ながら私は見た事がありません)

さて、このワセリン(白色ワセリン、プロペトを含めてワセリンと表現させてもらいます)、なぜ保湿ができるか、と言いますと、これ自体に皮膚に水分を与える効果はありません。
表面を油脂の膜で覆うことにより、外からの刺激から保護をしたりすると同時に、皮膚から水分が蒸発するのを防いでいる、皮膚の表面保護剤と考えてください。

一般的な肌であれば、これを塗るだけで、あとは自分自身から出てくる皮脂や水分で皮膚を保湿することが可能、という意味で「保湿剤」としても使われます。赤ちゃん自身の水分を保つだけなので、非常に生理的ですね。

また、余計な物質が入っていないため、刺激が非常に少なく、副作用もほぼないと考えてもらって結構です(多少の量、口に入っても問題なく、唇にも使えるくらいです)。

ですから、保湿を考えるなら、まず真っ先にワセリンをおすすめします。ドラッグストアやネットなどで簡単に購入できます。なにより、安いです。

おむつかぶれなどにも有効です。
というのも、塗ればおしっこやうんちの刺激から肌を守れます。なので、痛がる時にも使えます。
かぶれたところに塗って、おむつ替えの時におしりふきで拭く度に塗る(ワセリンごと拭き取って、そこにまた保護のためにワセリンを塗るイメージ)、という風にして使うことができます。

しかし、このワセリン、べたつくのが難点です。一旦塗ると、あっちにべたべた、こっちにべたべた……夏場はあまりオススメできません……
ちなみに私の使っているワセリンは、

by カエレバ
↑これ。
チューブタイプのとかもあったんですが、とにかく沢山使うのでコストパフォーマンスで選びました。プロペトを処方してもらってもいいんですが、受診前から使っていたので、まあいいかとそのままこれを使ってます。そもそも受診して処方してもらう手間を考えれば大した値段じゃないし、十分事足ります。

追記:その後、外出先でも使えるように、持ち運びやすいワセリンも買いました。
by カエレバ
吟味しないで買ったのですが、重宝してます。大洋製薬のものと比較すると、やや黄色でかたい印象。恐らく精製の度合いの違いだと思います。
使用感としては大洋製薬のワセリンHGの方が好きかな。まあお好みで。

ワセリン以外の保湿剤

ワセリンを塗っても十分に保湿ができない乾燥肌であれば、一度皮膚自体に水分を保たせる保湿剤を塗った上で、その上にワセリンで蓋をすると効果的になります。
しかし、ワセリンがべたついて使いにくいのであれば、保湿剤だけを塗るのも一つの方法です。肌に合えば問題ないでしょう。

保湿剤は、処方薬であればヒルドイドなどに代表されるヘパリン類似物質を含むものや、ウレパールに代表される尿素を含むものが非常に有効です。
これらは市販もされていますが、処方してもらう方が安いと思います。小児科を受診するのはちょっと……(感染症などが心配……)という方は、HPクリームなどが市販されています(添加物が違いますが、メインのヘパリン類似物の濃度はヒルドイドと同じ)。
by カエレバ
これですね。安定のノバルティス。
尿素製剤は多く売られています(ウレパールも市販されています)。
どちらがよいかと言われると、肌との相性が一番……ですが、尿素製剤は、尿素の刺激が合わない方が時々いらっしゃいます(特に、皮膚が弱っているところに塗ると刺激が強いようです)。ちなみに、角質水分量についてはヘパリン類似物質含有軟膏に一日の長があるようです。

他にも、セラミドなども効果があるというデータがあります。処方薬ではないので、市販のものをチェックしましょう。ちなみに、私が愛用しているピジョンのベビークリームもセラミド配合(これには他にもいろいろ入ってますが、確実に効果があると言えるのはセラミドとグリセリンかな)。
by カエレバ

ちなみにワセリン以外で主に使っているのはこれです。とにかくAmazonが安い。送料無料なのに、近くのドラックストアより安い……
(追記:最近はamazonも少し値上がりしてます……2個セットじゃないとプライムじゃなくなってた……定期便があるので、うちはそれで買っています)


というわけで、とりあえず保湿をはじめてみよう! と思った方は、


  1. 入浴後はすぐ保湿(乾ききってしまった場合は、化粧水や水を霧吹きするのも手)
  2. まずは白色ワセリンを試す(安いし手軽)
  3. 使い勝手や効果を見て、他の保湿剤を追加、もしくは保湿剤のみに変更


保湿剤は、皮膚に症状があれば、病院で処方してもらえます。なかった場合もまずは「相談」してみてください。
幸い、うちは市販の品が合いましたので、処方されたヒルドイドローションと併用中。



赤み・痒みが出るような皮疹は受診をして相談を

軽い皮膚トラブルであれば、皮膚を清潔に保ち、保湿をしっかりして皮膚のバリア機能を改善してあげるだけで、あとは赤ちゃんの自然治癒能力で治ります。
逆に、きちんとスキンケアをしても治らないものは、軽くない皮膚トラブルかもしれません。

炎症がひどい場合は、まず炎症を薬でさっと抑え、治ったところにスキンケアをした方が、短い時間で治すことができます。また、もしアトピーなどであったとしても、軽い状態で維持できます。

炎症をこじらせてぼろぼろになると、その状態から治すのは時間もかかりますし、薬も多く使わないといけませんし、なにより赤ちゃんがかゆくて痛くて辛いです。
薬を使わない、という選択肢を選びたがるお母さんも多いと思いますが、病気の主体は「赤ちゃん」で、苦しむのも「赤ちゃん」だ、ということだけは覚えておいてください。(すいません。ちょっと、所謂「脱ステ」のアトピービジネスの餌食になった酷い赤ちゃんの写真を見た後なので、悲しくなっています……)

赤みがひかない、痒がってかきむしる、よくわからないけどぐずる、滲出液が出てきた、皮膚がぼろぼろ剥がれる……といった症状があれば、一度小児科(もしくは皮膚科)にご相談ください。

我が家、乳児湿疹には苦しみました。お風呂の入り方や石鹸周りの話題はこちら。
我が家の乳児湿疹(アトピー性皮膚炎)とスキンケアの遍歴〜石けん・入浴編〜

追記:保湿については保湿剤でアトピー性皮膚炎の発症が減少した、というニュースもあり、個人的には特にご両親にアレルギーがあったり、乾燥しがちな子であれば、皮膚トラブル起こる前からの保湿をおすすめします。

追記:本屋で一般向けのアトピー書籍を探していると、とんでもない内容なものが8割を占めていて驚きました。
ざっと読んで、スキンケアも含めてまっとうな治療法を書いていたものをご紹介。
子どものアトピー性皮膚炎 正しい治療法 (健康ライブラリーイラスト版)

江藤 隆史 講談社 2016-04-12
by ヨメレバ
イラストも多くてわかりやすく読みやすいので、アトピーではない乳児湿疹の方にもおすすめできると思います(全ての内容を吟味したわけではありませんが、医学的に正しい一般的な内容と思います)。

(記事は下に続きます)
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